うさぎのメディカルケア

うさぎの病気の多くは、うさぎ特有の身体のつくりを考えない飼い方で起きています。
身体の特徴をつかんでうさぎを飼うことが、病気の何よりの予防法です。

うさぎのメディカルケア

ウサギとは

ウサギの仲間は、世界中で150種類前後いるのではないかと言われています。私たちが良く見かけるのは、野生のヨーロッパアナウサギという種類を、古代 ローマ時代(1万年以上前)から人によって改良されてきた子達です。頭がよくて、人懐っこく、犬猫とは違う魅力をもっている子達です。

ウサギの飼育環境

室内の一定空間をうさぎのために整えるのが、理想的な環境です。
ケージのみではなく、室内の一定空間をうさぎのために整えるというのは、管理面からも理想的な環境といえます。床は、コルクマットなど弾力のあるやわらかい素材とし、牧草を敷き詰めるのもいいでしょう。物陰に隠れることができるような場所も必要です。
飼い主さんに気を付けていただきたい事は、うさぎのかじる行為です。かじる行為自体はうさぎの本能ですから、止めさせる事は出来ません。したがって、うさぎがかじると危険な物を防ぐ事は飼い主さんの役目です。

ウサギとは

ウサギの食事

春そして夏への時節は、明るい陽を存分に浴びて野山の草木は、自然の力をしっかり受けとめ、蓄わえます。もし、家うさぎが野うさぎと同じ食物を食べれたら、最高の食餌となることでしょう。
チップ状のドライフードが日常食として、当然に思われている昨今ですが、そのドライフード中に自然の食物を加えることをおすすめします。
ドライフードは6か月を越えた成うさぎならば、体重の2%の重量を1日量とするのが良いでしょう。子うさぎであったり、妊娠中のもの、寒い季節では、増量が必要です。他に干草を食べたいだけ与えます。生の野草・乾燥させた野草・野菜を与えてもよいでしょう。(うさぎの好む野草をポストカードにしました。右図参照)きく科・いね科・まめ科の草木は安心して与えられます。山野で採取するときは、農薬などに汚染されていないかを確めて下さい。
どの野草にもハーブとして健康に役立つ成分を有しています。うさぎの最も好むタンポポとオオバコをとり上げてみましょう。

たんぽぽ タンポポ

強い苦味を持ちます。この苦味が唾液の分泌を促して消化を助けます。利尿作用もあります。花はレシチンを含み弱い鎮静作用を持ちます。

オオバコ オオバコ

アウクビンとサポニンを含有し、抗菌作用をもたらします。止血・炎症を防ぐ働きで泌尿器や下痢に効果があります。

ウサギの食事

つぎは、ハーブ果実です。体の小さい動物であるうさぎは、食べられないとすぐ脱水状態となります。輸液で水分補給をする方法に頼らないときは、チューブを使って鼻から必要な液体を注入する手がありますが、他に切歯と臼歯の間から少量ずつ頻回に最低20ccを1日量として強制的に与えます。準備する液は、うさぎの好む、にんじん・リンゴ・パイナップルのジュースです。(青汁やうさぎのドライフード末を加えたりします。)これらの選択は、うさぎの好みだけでなく、ハーブでもあるからです。

リンゴ リンゴ

”リンゴは食べると医者いらず”といわれる果実です。皮付きのリンゴは、ポリフェノールを大量に含んでいます。これは活性酸素の働きを抑制します。また水溶性のアップルペクチンが整腸作用をしますし、腸内の悪玉菌の発育も防止します。

ニンジン ニンジン

カロチンを多量に含んでいます。βカロチンは抗酸化作用を発揮して活性酸素の害を防ぎます。食物繊維を多く含んでいて水溶性ペクチンで排便を促します。

パイナップル パイナップル

食物繊維を多量に含んでいて、便秘を解消させます。また蛋白分解酵素のブロメリンを含み、腸内腐敗物を分解して、消化不良や腸内ガス発生に有効に作用します。ブロメリンは60℃以上に加熱すると効力が失われるので注意しましょう。

これらには、多くのビタミン類も含まれています。
うさぎは食物について好き嫌いがありますが、(新しい食物は抵抗する場合が多いです。このことを別として)毒物を見分けることは出来ません。従ってうさぎの飼育環境から有毒植物を除いてやる必要があります。有毒植物の大凡の見分け方を知っておきましょう。

与えてはいけないもの 与えてはいけないもの

球根をもっているもの(ゆり、水仙、タマ葱など)、鮮やかな色の花・葉のもの、切り口が鼻をつく臭いのあるもの、切り口がねばつくもの。などがあげられます。

ウサギの食事