うさぎのメディカルケア
うさぎの病気の多くは、うさぎ特有の身体のつくりを考えない飼い方で起きています。
身体の特徴をつかんでうさぎを飼うことが、病気の何よりの予防法です。
うさぎの骨折
うさぎの骨は骨皮質が薄くて軽量です。骨の体重に占める割合は7~8%です。ネコの12~13%に比較するとずい分軽いです。そのためわずかな高さから落ちても着地に失敗すると前肢や後肢の長骨は折れてしまいます。
うさぎの強いジャンプ力は後肢の非常に発達した筋肉によって支えられています。自力で思い切り空を蹴ると脊椎が骨折するのはそのためです。骨折の最も起きやすいのは腰椎です。脊椎の中を通っている脊髄の損傷も同時に受けますから損傷の大きい場合は全く立つことが出来ず、排尿する力も欠いてしまいます。受傷の程度にもよりますが、治療の結果はよくありません。少ない例ですが、電気的刺激やマッサージなどで回復したのもいます。
長骨の骨折は筋肉のうすい部分に多発します。とりわけ前肢に多く見られます。うさぎは骨皮質がうすいこと、およびイヌやネコと異なって固定がうまくいかないので、治りが悪いです。
両手を使って安定した抱き方をすること、おろすときは後肢を床につけた後に手を離すことが扱い上で大切なことです。
夜中にケージの中で骨折している例を多く見かけます。何かにおびえて飛び上がって、ケージに衝突したためと推測します。ケージ内は足場を含めて安全な造りにすること、餌の与え過ぎで肥満にさせないこと、狭いケージから出して適当な運動をさせることが最大の予防と考えます。